モスクワでの岡部さんの展覧会

あのソ連時代の1988年、モスクワに日本の画家の展覧会がやって来ました。
通訳としてかかわった私にとって忘れられない思い出となりました。
まず、岡部さんという画家はサーカスとピエロの絵を描く画家なので、作品の展示場所は新しいサーカスのアリーナの観客スペースが一番相応しいと決まりました。
雪がいっぱい積もっている街に、ワゴン車が来て、次々と大きなパッケージが降ろされ、アリーナのホワイエに並べられました。一日がかりで100点が運び出されて、大きなラウンドスペースに運び込まれました。
次の日、芸術家達や政府の文部省の代表者が展覧会の開会の式典に集まってきて、岡部さんを囲みました。最初に挨拶したロシアのサーカスのレジェンドのピエロ、ユーリー・ニクーリンさん(当時はサーカスの総監督)は、「サーカスとピエロを描く日本の画家をボリショイサーカスは大歓迎します。この日本人のアーティストの名前は、ロシアのサーカス界では知らない人は誰もいません。彼は私達の親愛なる仲間なのです。」と語りました。
それからみんなは、岡部さんの絵の説明を聞くために大勢が彼を囲みながら、作品を見て回りました。
あの頃のソ連には、積極性、集中力、気力が漲り、今思うとサーカスの魔法のように感じられます。
この展覧会は1カ月以上展示されて、サーカスの愛好者や芸術を愛する市民が岡部さんの作品を見に連日訪れ、多くの観覧者で賑わいました。
この展覧会の後、モスクワ市庁舎やロシア文化財団に岡部さんの作品が1点ずつ収蔵され、多くの人々に鑑賞されています。

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